こんにちは、東京リポーター(@TOKYOxREPORTER)です。
地方から東京へ出てくると、「みんな歩くの早いな〜」と感じるといいます。
たしかに東京に住んでいると、急いでる人が多いように思います。
事実、都内では朝や夕方の通勤ラッシュ時には、一本電車を乗り過ごしてもすぐ次の電車が来るにも関わらず
少しでも早く乗り込もうと、ドアが閉まるギリギリに乗り込んでくる人もとても多いですよね!
そんなことを考えてみて軽く調べてみたのですが、東京の人の歩く速さって「世界19位」だそうで・・・。
「あれ、思ったよりも順位低いかな?」と私は感じたのですが、
その背景を知ると見えてくるものがありましたので、今回は個人的な考えも含めて、まとめてみたいと思います。
結論から言うと、歩く速さのランキングは、「負けん気」のランキングであり「歩くスピード」ではないということ、
「実際の歩くスピードランキング」は「乗降車数ランキング」のほうが近いのではないか?ということです。
歩く速さの世界ランキング
まず、東京が世界19位にランクインした実際のランキングを紹介したいと思います。
この調査を発表したのはCNN(https://edition.cnn.com/2007/WORLD/europe/05/02/walking.speeds/index.html)で、イギリスの心理学者であるリチャード・ワイズマン教授が、国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルと協力して調査したものです。
測定方法は、各々の街において比較的歩行者が多く、なおかつ平坦な広い道を選び、その街の成人住民35人に約18メートルを歩いてもらい、データを集め、平均所要時間を出したものとなっており、
その結果なのですが、一番歩くスピードが速かったのはシンガポール人ということになっているのです。
具体的な順位が以下のようになっています。
私はこれを見て、このランキングは街を歩く速さというよりは「負けん気の強さランキング」のほうが近いのではないかと考えたのです。
- シンガポール
- デンマーク/コペンハーゲン
- スペイン/マドリード
- 中国/広東省広州
- アイルランド/ダブリン
- ブラジル/クリチバ
- ドイツ/ベルリン
- ニューヨーク/アメリカ
- オランダ/ユトレヒト
- オーストリア/ウィーン
歩く速さランキングが的を得ていない理由
負けん気とは、いわゆる「勝ち気」ともいえると思います。
というのも、街を歩いている人を測ったのではなく、「さぁ!歩いてください!」と言われて歩き始めるのは、実際に街を歩くスピードと大きく異なってくるからだと思うんです。
先程のものとは別に、世界で競争力が高い国をランキングしているデータがあります。
これはIMD世界競争力センター ( https://www.imd.org/wcc/world-competitiveness-center-rankings/world-competitiveness-ranking-2020/)という機関が毎年調査・作成しているもので、最新版では前年に続きシンガポールが1位となっています。
- シンガポール
- デンマーク
- スイス
- オランダ
- 香港
- スウェーデン
- ノルウェー
- カナダ
- アラブ首長国連邦
- 米国

1989年に始まったIMDの世界競争力ランキングは、調査対象の63か国それぞれに関して、235の指標をまとめて算出されます。ランキング算出では、失業率、GDP、健康・教育への国の支出などのハード・データと、社会的結束や分離の度合い、グローバリゼーション、腐敗などのテーマに関する、経営幹部やマネジャーを対象としたアンケート調査からなるソフト・データの両方を、幅広く考慮しています。
この結果を見て、私はなにか共通点を感じました。
米国と中国の世界競争力ランキングが前年に比べ下がったのには米中貿易摩擦による国際貿易の悪化が影響しているものとみられているので、そういった政治的背景も入るため、一概に断言は出来ないのですが、
歩く速度ランキングの1位シンガポール〜19位の日本までの間に入る国の大半が、競争力ランキングでも上位を維持しているということです。
ちなみにこのランキングでは、東京を含む日本は34位となっています。
実際に歩くスピードは東京が世界で一番早いのではないか?
こう考えていくと、「歩く速さランキング」は実際のスピードではなく、あまり当てにならないのではと考えました。
どちらかというと、性格や社会の雰囲気などが左右するような気がします。
たとえば私は、人に見られていると感じるときっと歩くスピードが早くなると思いますし、
逆に「自由に歩いて!」と言われるとあえてのんびり歩く人もいると思うからです。
勝手な偏見ですが、歩く速さランキング上位の国の人達は、胸を張って普段より早く歩きやすい社会なのではないかと思ったりもするんですよね。
私はこれまで考えてみて、どちらかというと各都市の電車の乗降車数ランキングを見たほうが、歩く速さを表すことになると思うんです。
電車が多いということは人が多く、人が多いということは混雑しているので自分の意に沿わず、早足になる場面も多いからです。
電車に間に合わせようと駅のホームや階段を走る人も沢山いますし、
乗り換え時間に合わせようと街なかを走る機会も、東京にいると全然ありますよね!
そんなことを考えると、日本の駅の乗降車数は、世界ランキングで1位〜10位を独占していることに気づきました。
- 高田馬場駅
- 新橋駅
- 品川駅
- 東京駅
- 北千住駅
- 横浜駅
- 大阪駅
- 池袋駅
- 渋谷駅
- 新宿駅
このランキングは、「世界の」駅の乗降車数ランキングです。
にわかに信じられませんが、世界ランキングといえど実質日本国内ランキングと変わりない状況ですよね。
そう考えていくと、やはり東京は世界で一番歩くスピードが早いのではないかと思えてきます。
みなさんはこのランキングを見て、どう思いましたか?
東京にお住まいのあなたは、普段早足になってはいませんか?
負けん気が強いから、弱いから、歩くスピードが早いから、遅いから・・・だから良い悪いというわけではありませんが
それだけ人の多い東京ですから、各個人の多様性だけでなく、
歩くスピードの違いも、素直に認め会えるような地域になると良いですね!